醪(もろみ)は、日本酒の製造工程において、発酵段階で生じる混合物です。
原料の米、米麹、水、そして酵母から構成され、これらが一緒に混ざり合い、時間をかけて発酵していくことで、日本酒が生まれます。
日本酒の製造工程は、まず「麹(こうじ)」を作ることから始まります。蒸した米に麹菌をまぶして育てることで、酵素が米のデンプンを糖化する役割を果たします。
この麹と水、さらに蒸し米、酵母を加え、「醪(もろみ)」を仕込みます。
醪の発酵は通常、数週間から1ヶ月にわたって行われます。
酵母が糖を分解し、アルコールと二酸化炭素を生成することで、発酵が進みます。
この過程で醪は絶えずかき混ぜられ、温度や湿度の管理が行われます。
発酵が進むにつれて、醪はアルコールを含む液体と、未発酵の米粒などの固形物からなる混合物になります。
発酵中の醪は独特の風味と芳香を持ち、発酵の進行具合に応じてこれが変化します。
醪は日本酒の最終的な味わいや香り、アルコール度数に大きな影響を与えます。
醪の発酵時間、温度管理、かき混ぜの頻度などによって、日本酒の味わいや風味が大きく変わるため、醪の管理は日本酒の製造において非常に重要なプロセスです。
発酵が完了した醪は、圧搾されて酒と酒粕に分けられます。
これにより、日本酒としての最終製品が生成され、瓶詰めされて出荷されます。
醪の段階での発酵と管理が、日本酒のクオリティや個性を左右するため、ここでの手法がその酒の特徴を決定することになります。